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2025.08.05
借主(入居者)さんはお客さん?

先日、不動産業界の新聞で「カスハラ」に関する記事が掲載されていました。
この業界に長いこといますと、カスハラもどきの借主(入居者)さんをたくさん見てきました。
カスハラもどきの借主(入居者)さんは、おそらく自分はお客さんで「お客様は神様です」という昭和時代の意識が強いのではないでしょうか。
お客さんでもカスハラはダメですけどね。
借主(入居者)さんはお客さん?
では、そもそも借主(入居者)さんはお客さんでしょうか。
結論から申しますと、借主(入居者)さんはお客さんではありません。
賃貸借契約では、貸主(大家さん)は借りて頂いている、借主(入居者)は貸して頂いているというお互いに権利義務が生じている契約者の立場です。
では、なぜ借主(入居者)さんはお客さんと勘違いをしていまうのでしょうか。
お金を払っている?
借主(入居者)さんは、お金(家賃)を払っているからお客さんだと思ってしまうのかもしれません。
確かに、お金を払って買い物をするときはお客さん扱いです。
しかし、家賃を払っている(お金を払っている)からお客さんだと思ってしまうのは間違っています。
賃貸借契約上、貸主(大家さん)は借りて頂いている、借主(入居者)は貸して頂いているというお互いに権利義務が生じている契約者の立場です。
つまり、家賃はお部屋を借りる対価であり、借主(入居者)さんに生じる義務の一つです。
それなのに、お金を払っているから自分がお客さんだと勘違いをなさる方がいるようです。
お部屋探しのときはお客さん
また、借主(入居者)さんが自分がお客様だと勘違いされてしまう要因としては、賃貸物件を探している過程にあるのではないかと推測できます。
賃貸物件を探すために不動産会社(仲介会社)に行けば、そこでは間違いなくお客さんです。
不動産会社はお客さんからの要望を聞き賃貸物件を探します。
この過程で、不動産会社の対応の仕方によってお客さん意識が高くなってしまった可能性があります。
これは、借主(入居者)さんだけの問題ではなく、物件探しを仲介した担当者の接し方にも問題があったのだと思います。
借地借家法で守られている?
他の要因としては、借主(入居者)さんは借地借家法など法的に守られている一面もあり、貸主(大家さん)より借主(入居者)さんの方が強いと表現されることも多く、そのために勘違いが生じている可能性もあります。
どっちが強いだとか、どっちが偉いだとか、どっちがお客さんだとかそんなことはありません。
大家さんも借主さんも、賃貸借契約を締結した契約者であり、お互い権利義務があり、それを遵守しなければなりません。
最近カスハラもなくなってきました
何度も書いてきましたが、賃貸借契約では、貸主(大家さん)は借りて頂いている、借主(入居者さん)は貸して頂いているというお互いに権利義務が生じている契約者の立場です。
どっちが強いだとか、どっちが偉いだとか、どっちがお客さんだとかそんなことはありません。
当然のことですが、例えば、設備であるエアコンや給湯器などが故障すれば、借主(入居者)さんは貸主(大家さん)に対して直してもらうよう要求することはできます。借主(入居者)さんはこうした権利も持ち合わせています。
最近の借主(入居者)さんは、ほとんどの方がご理解していただいてます。おかげさまで、カスハラもどきの入居者さんもみかけなくなりました。
ありがたいことです。
